現在、泰明小へ入学するための最大の関門となっているのが、東京都中央区教育委員会が実施している特認校制度である。中央区内に居住していれば、指定学区外からでも希望して入学できる制度だが、泰明小の人気は区内でも突出している。
2026年を迎え、中央区の臨海部タワーマンション群を中心とした児童数の増加は続いており、特認校制度の抽選倍率にもその影響が色濃く反映されている。募集枠わずか数十名に対し、男子・女子ともに数倍から年度によっては10倍近い高倍率を記録。当選を勝ち取るのはまさに針の穴を通すような確率だ。
しかし、難関を突破して越境通学を果たした家庭を待ち受けるのは、日常のシビアな現実である。
朝の通勤ラッシュに揉まれながら地下鉄やバスを乗り継ぎ、銀座まで通う児童たちの体力的な負担は小さくない。近所に同級生がいないため放課後に気軽に遊ぶことが難しく、学童保育の確保や保護者の送り迎えなど、生活のオペレーションには綿密な設計が求められる。また、児童の9割近くが私立・国立中学校への進学を目指す家庭であり、中学受験に向けた塾通いと学校生活の両立に苦心するケースも多い。