「歩くたびに何かが擦れる」「下腹部が引きずり下ろされるように痛む」という違和感の根底にある疾患が、骨盤臓器脱(Pelvic Organ Prolapse: POP)の一種である子宮脱です。 女性の骨盤の底には、子宮や膀胱、直腸などの内臓をハンモックのように下から支える「骨盤底筋群」や強固な靱帯(仙骨子宮靱帯など)が存在します。子宮脱とは、これらの支持組織が緩んだり損傷したりすることで、子宮が本来の位置から徐々に下降し、最終的には膣を裏返しながら体外へと脱出してしまう疾患を指します。 骨盤臓器脱は子宮脱だけにとどまりません。膀胱が膣の前壁を押し出して下がる「膀胱瘤(膀胱脱)」や、直腸が膣の後壁から突出する「直腸瘤」を合併することも珍しくありません。海外および国内の疫学データによると、経産婦の3割から4割が何らかの骨盤臓器脱の所見を有していると報告されており、女性なら誰にでも起こり得るきわめて身近なトラブルです。命に直結する悪性腫瘍ではないものの、歩行障害や排泄障害を引き起こし、日常生活に深刻な支障をきたします。
股の間に挟まる違和感の正体とは?子宮脱の初期症状・治療法を徹底検証
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