台湾や香港の旅行者が「日本滞在中に最低2回はドンキに行く」と口を揃える背景には、綿密に計算された店舗運営の勝利があります。観光庁の消費動向調査でも示されている通り、訪日客の支出において「買い物代」は宿泊費・飲食費に次ぐ巨大なシェアを占めますが、夜間のナイトタイムエコノミー(夜の消費活動)を受け皿として完全に吸収しているのがドン・キホーテです。
多くの百貨店やドラッグストアが午後8時から9時に閉店する中、ドンキの旗艦店は24時間営業を継続しています。旅行者は日中の観光スケジュールをすべて終えた後、午後10時を過ぎてからホテル近くのドンキに繰り出します。そこで待ち構えているのが、スマートフォン画面を提示するだけで適用される免税(10%)+追加割引(最大7%)の優待システムです。
さらに、ドンキ 医薬品 お菓子 人気の経緯を辿ると、日本の目薬、鎮痛剤、整腸薬、抹茶味のキットカットや一蘭の持ち帰りラーメンといった「定番のお土産」がレジ周辺に戦略的に集中配置されています。カゴを持った観光客は、「せっかくクーポン条件(免税後1万〜3万円以上)を満たすなら、これも買っておこう」という心理的バイアス(保有効果とサンクコスト効果)に誘導され、結果として3万円〜5万円単位のまとめ買いが日常茶飯事となっています。