突然尿が出ない病気の原因は?前立腺肥大や急性腎不全の危険度と受診目安

突然尿が出ない病気の原因は?前立腺肥大や急性腎不全の危険度と受診目安

突然尿が出ない病気の原因は?前立腺肥大や急性腎不全の危険度と受診目安とはどんな影響があるのか? 詳しい意味を丁寧に紐解いて紹介します。

救急医療の現場において、急性尿閉で搬送されてくる患者の苦痛度は、心筋梗塞や尿管結石の疼痛に匹敵すると報告されています。ある臨床経験豊富な救急医の手記には、次のようなリアルな現場の描写が記されています。

「深夜の救急外来に運び込まれた70代男性は、下腹部を抱え込み、脂汗を流しながら『頼むからお腹を刺して尿を抜いてくれ』と叫んでいた。超音波で見ると膀胱は成人頭部大に膨れ上がり、計測値は1,200mlを示していた。尿道カテーテルを通した瞬間、琥珀色の尿が一気にバッグへ流れ込み、患者の表情は劇的に弛緩した。しかし、あと数時間我慢していれば、腎不全による心不全を併発して命を落としていた可能性がある」

現場で最も多用される緊急処置が尿閉に対する導尿処置(尿道カテーテル留置)です。局所麻酔ゼリーを用いて柔軟なシリコンチューブを尿道から膀胱内へと滑り込ませ、物理的に閉塞を迂回して排液します。カテーテル挿入時には特有の異物感や鈍痛が伴うものの、溜まりに溜まった尿が排出された際の苦痛の劇的な消失は、患者にとって文字通り地獄からの生還と表現されます。

一方、高齢者が尿を出せない特有の理由としては、認知機能低下による症状訴えの欠如や、サルコペニア(筋力低下)による腹圧低下、便秘による直腸の糞便が膀胱出口を圧迫する物理的干渉が挙げられます。痛みを明瞭に訴えられない高齢者の場合、「突然のせん妄(不穏・暴れ)」「食欲の完全停止」「下腹部の不自然な硬直」という形でSOSが現れることが多いため、家族や介護現場の観察眼が命綱となります。

佐々木 一輝
著者

佐々木 一輝

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。