自身が抱える胸の膨らみが、減量で落とせる皮下脂肪なのか、それとも医療的アプローチを要する乳腺肥大なのかを切り分けることは、対策の第一歩となります。以下の指標を参考に、指先の感覚で状態を観察してみてください。
乳腺と脂肪の見分け方の基本は、乳輪周辺の触診にあります。仰向けに寝た状態で、人差し指と親指で乳首の真裏を軽くつまむように触れてみてください。全体が均一に柔らかく、指が抵抗なく沈み込む場合は「偽性(皮下脂肪)」の可能性が高いと判断できます。一方、乳首の直下に円盤状の硬い芯のような手応えを感じたり、圧迫した際に鈍い痛みや違和感を伴ったりする場合は、男性の胸のしこり、すなわち乳腺組織(真性)が存在している兆候です。
臨床現場で問題視されているのが、痩せ型男の胸の脂肪という特異な悩みです。手足や胴回りは細くBMIの数値も標準以下であるにもかかわらず、胸元だけが女性のように尖って膨らんでいるケースが目立ちます。この現象の正体は、思春期の一時的なホルモン分泌の乱れによって形成された乳腺組織が、成人後も退縮せずに残存したケースや、姿勢不良(猫背や巻き肩)によって胸郭が圧迫され、少量の脂肪組織が前方へ集約されてしまっているケースが典型です。痩せ型の人が「もっと痩せれば胸が引っ込むはずだ」と過激な減量を重ねると、肋骨が浮き出てさらに胸元の膨大感だけが際立つという深刻なジレンマに陥ります。