直接税と間接税の違いとは?負担者と納める人のカラクリを徹底解剖

直接税と間接税の違いとは?負担者と納める人のカラクリを徹底解剖

直接税と間接税の違いとは?負担者と納める人のカラクリを徹底解剖とはどんな影響があるのか? 主要なファクトを整理してお届けします。

直接税と間接税は、それぞれ正反対の特長を持っています。租税理論における「公平・中立・簡素」という原則に照らし合わせると、両者が抱えるメリットとデメリットは表裏一体の関係です。

項目直接税(所得税・法人税等)間接税(消費税・酒税等)政策的評価・分析税収の安定性景気変動の影響を受けやすい(不況期に大幅減収)景気に左右されにくく極めて安定的社会保障費の財源として消費税が選ばれる主因公平性の観点垂直的公平に優れる(累進課税で所得格差を是正)水平的公平に優れる(消費額に応じ等しく負担)富の再分配重視か、広く薄い負担重視かの対立軸納税者の心理痛税感が強く、納税者意識や政治への関心が高まる日常の買物に溶け込み、痛税感を自覚しにくい「取りやすいところから取る」との批判を呼びやすい構造的課題・欠点過度な累進性は労働・起業意欲を削ぐ懸念低所得者ほど負担率が重くなる逆進性軽減税率や給付付き税額控除などの対策が必須

税制の公平性には「水平的公平」と「垂直的公平」という2つの視点が存在します。水平的公平とは「等しい経済力を持つ者は等しく税を負担すべき」という考え方であり、所得の捕捉率に左右されず消費に応じて課税される消費税はこの要件を満たします。一方の垂直的公平は「支払い能力の大きい者ほど重い負担をすべき」という理念に基づき、超過累進課税(所得税の最高税率45%、住民税と合わせて最高55%)によって富の再分配を図る直接税の独壇場です。

しかし間接税最大の欠点は、所得に占める食料品などの必需品購入費率が高い低所得世帯ほど、実質的な税負担割合が重くなる「逆進性」です。この歪みを緩和するため、日本でも飲食料品や定期購読新聞を対象とする軽減税率(8%)が導入されました。さらに、低所得層に現金を給付する制度や給付付き税額控除の本格運用をめぐる議論が、与野党を問わず政策課題として浮上し続けています。

阿部 裕樹
著者

阿部 裕樹

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。