直接税と間接税は、それぞれ正反対の特長を持っています。租税理論における「公平・中立・簡素」という原則に照らし合わせると、両者が抱えるメリットとデメリットは表裏一体の関係です。
税制の公平性には「水平的公平」と「垂直的公平」という2つの視点が存在します。水平的公平とは「等しい経済力を持つ者は等しく税を負担すべき」という考え方であり、所得の捕捉率に左右されず消費に応じて課税される消費税はこの要件を満たします。一方の垂直的公平は「支払い能力の大きい者ほど重い負担をすべき」という理念に基づき、超過累進課税(所得税の最高税率45%、住民税と合わせて最高55%)によって富の再分配を図る直接税の独壇場です。
しかし間接税最大の欠点は、所得に占める食料品などの必需品購入費率が高い低所得世帯ほど、実質的な税負担割合が重くなる「逆進性」です。この歪みを緩和するため、日本でも飲食料品や定期購読新聞を対象とする軽減税率(8%)が導入されました。さらに、低所得層に現金を給付する制度や給付付き税額控除の本格運用をめぐる議論が、与野党を問わず政策課題として浮上し続けています。