市販薬で数日様子を見ても痛みが引かない場合、あるいは頻繁に再発を繰り返す場合は、医療機関の受診を検討してください。
受診先の診療科の選び方
口内炎の診療は、主に以下の2つの診療科が担当します。
- 歯科・口腔外科:最もおすすめの受診先。歯の鋭利な突起や入れ歯の不適合など、物理的な接触原因のチェック・研磨処置がその場で可能です。また、レーザー治療機器を備えている医院が多い点も強みです。
- 耳鼻咽喉科:舌の奥、扁桃周辺、咽頭部など、喉に近い深部にできた口内炎の診察に適しています。喉の内視鏡検査を含めた総合的な診断が可能です。
歯科のレーザー治療:なぜ数分で無痛化するのか
歯科医院で行われるレーザー治療(主に炭酸ガスレーザー)は、アフタの表面にレーザー光を短時間照射し、潰瘍面を瞬間的に熱変性させて「蒸散・凝固」させます。
これにより、剥き出しになっていた神経終末が薄い凝固膜で覆われ、照射直後から食事の接触痛がほぼ消失します。組織の血流を活性化させて自然治癒を早める効果もあり、費用は自費診療で1,000円〜3,000円程度、処置時間は数分です。「明日どうしても重要な会食がある」「痛くて眠れない」という方にとって、極めて有効な選択肢となります。
【プロの結論】早期受診すべき「危険な口内炎」の判断基準
臨床現場において最も警戒すべきは、アフタ性口内炎に類似した重大な全身疾患や悪性腫瘍の初期病変の見逃しです。以下のいずれかに該当する場合は、セルフケアを即刻中止し、専門医の診察を受けてください。
- 2週間以上経過しても縮小せず、硬いしこりがある:舌癌(ぜつがん)などの口腔癌は、初期段階でアフタ性口内炎と酷似した潰瘍を作ります。触ったときに周囲が硬い、出血しやすい場合は厳重な警戒が必要です。
- 口腔内だけでなく、目、皮膚、外陰部にも潰瘍や発疹がある:指定難病である「ベーチェット病」の初期症状である可能性があります。
- 38度以上の発熱や全身倦怠感、リンパ節の強い腫れを伴う:ヘルペスウイルス感染症や手足口病などのウイルス性疾患が疑われます。
- 直径が1cmを超える巨大な潰瘍(大アフタ):治癒に数ヶ月を要することがあり、強い瘢痕を残すため、専門的な高用量ステロイド治療や生検が必要です。