Q1:水先案内人と船長では、どちらのほうが立場的に偉いのですか?
A1:上下関係やどちらが偉いという概念はありません。法律上の最高責任者および指揮権保持者はあくまで「船長」です。水先案内人は、船長が熟知していない港湾や狭小水域の地理・気象・操船法に精通した「最高峰の専門アドバイザー」として乗船し、船長の信頼のもとで操舵号令を委任されます。
Q2:船に乗った経験が全くない文系出身者でも水先案内人になれますか?
A2:可能です。2006年の法改正以降、一般大学(文系含む)の出身者であっても、独立行政法人海技教育機構の海技大学校など「登録水先人養成施設」の選考に合格し、基礎教育・乗船実習・シミュレータ訓練を修了することで、三級水先人国家試験の受験資格を取得できます。ただし、適性検査や学力試験の倍率は高く、相応の覚悟が必要です。
Q3:英語力はどの程度必要とされますか?日常会話レベルでは厳しいでしょうか?
A3:極めて高度な実践英語力が求められます。入港してくる外航船の船長や船員はフィリピン、インド、欧州など多国籍であり、指示の齟齬は重大事故につながります。日常会話にとどまらず、IMO(国際海事機関)が定めた標準海事通信用語(SMCP)を使いこなし、緊張状態でも正確明瞭にやり取りできる英語運用能力が必須です。
Q4:水先案内人を頼まないで港に入ることは違法になりますか?
A4:水域と船の大きさによります。法律で指定された「強制水先区」において、基準を超える規模の船舶が水先人を乗船させずに航行した場合は水先法違反となり、罰則の対象となります。一方、「任意水先区」や基準以下の小型船であれば、船長自身の判断で単独入港することが法的に認められています。