ネット上の言説で頻繁に見られる「窓際族=勝ち組」という認識は、労働現場の制度設計を知らない極めて浅薄な誤解に基づいています。確かに、過去の大企業ではバブル入社組が管理職手当を維持したまま閑職にとどまるケースが散見されました。しかし、賃金カーブの見直しが進んだ現在、何もしない社員に満額の報酬を払い続ける企業は存在しません。
人件費適正化のメスは、窓際社員の処遇に容赦なく入っています。人事考課における最低ランク評価の連続付与により、定期昇給の停止はもちろん、賞与は一般社員の3割〜5割以下にまで激減します。さらに50代前後に設定された「役職定年制度」によって基本給そのものが30〜50%カットされ、ピーク時に年収900万円を超えていた社員が、50代半ばで年収400万円台に急降下する事例は枚挙にいとまがありません。
経済産業省や厚生労働省の各種労働経済動向が示す通り、企業は限られた人件費原資を「成長分野を牽引する高度専門人材」へと大胆に傾斜配分しています。何の成果も出さない社員に高額報酬が支払われるような牧歌的な企業は、市場競争の中で淘汰されつつあるのが動かしがたい現実です。