うさぎの骨格構造は、軽やかな走りとジャンプに特化して極限まで軽量化されています。鳥類に近いほど骨壁が薄く、全体骨格が体重に占める割合は犬猫の約13〜14%に対し、うさぎはわずか約7〜8%しかありません。その一方で、跳躍を担う後肢の筋肉は強靭そのものです。足が宙に浮いた状態で後肢を力任せにキックすると、自らの強大な筋力に薄い骨が耐えきれず、第6〜第7腰椎が圧迫脱臼・骨折を起こすケースが後を絶ちません。
万が一の落下や脊椎損傷を防ぐうさぎ骨折予防の観点から、抱っこを行う際は「必ず低い姿勢(床に座った状態)」からスタートすることが鉄則です。立ったままの抱っこは、落下時の落差が1メートルを超え、頭部打撲や即死につながるため初心者は絶対に避けなければなりません。
安全なうさぎ抱っこの基本手順は、次の4ステップで構成されます。
第一に、床に正座またはあぐらをかき、愛兎の目線まで自分の重心を下げます。背後や側面から優しく声をかけながら撫で、緊張を解きます。第二に、利き手と逆の手を前足の脇の下へ滑り込ませ、胸部を優しく包み込みます。このとき肋骨を強く圧迫しないよう注意を払います。
第三に、ここが最重要ポイントですが、利き手で素早くうさぎの大きなお尻と後ろ足を下から丸ごとすくい上げます。後肢の踏ん張りを無効化し、空中でバタつかせないよう、お尻を手のひら全体でカップのように包み込む構造を作ります。第四に、持ち上げると同時に自分の胸とお腹へ愛兎の体を密着させ、うさぎの頭部が飼い主の脇の下方向を向くように斜めに抱き込みます。隙間を作らず「体幹でホールドする」ことで、うさぎに擬似的な接地感と安定感を与え、パニックを最小限に食い止めることが可能です。
ケージ内からの移動時も事故が多発します。うさぎケージからの出し方として、無理やり奥から引きずり出す行為はテリトリー防衛本能を刺激して逆効果です。出入口の前にスロープやマットを敷き、自発的に外へ出てきたところを床面で優しく保定するか、専用のキャリーや段ボール箱へ自然に誘導して移動させる方法が最も安全です。