世界タイトルへの期待が最高潮に達していた1985年、運命の歯車が大きく狂い出す。大和田正春との激しい打ち合いの末、赤井は壮絶なKO負けを喫した。試合直後、意識を失った彼は病院へと緊急搬送される。診断の結果は急性硬膜下血腫および脳挫傷。開頭手術が行われ、一時は生存確率20%以下とも囁かれる非常に深刻な事態へと陥った。
命は奇跡的に取り留めたものの、脳へのダメージは深刻であり、リング復帰の道は永久に閉ざされた。現役引退を余儀なくされた瞬間だった。絶望の淵に立たされた男のボクサー生命は、こうして突如として終わりを迎えた。しかし、この壮絶な挫折こそが、彼の第二の人生の幕開けとなるのだった。