近年、地球規模の気候変動や国際情勢の影響で、輸入小麦の価格高騰と供給不安が続いている。しかし、この危機は北海道の小麦農業にとって、新たな進化の引き金となった。現在、忍路のパン作りを支えているのは、品種改良が進んだ道産の秋まき小麦や、希少な在来種だ。
かつて「パン用には不向き」とされた国産小麦だが、今やその豊かな風味とモチモチとした引きの強さは世界トップレベル。地元の製粉業者とパン職人がタッグを組み、忍路の厳しい気候に耐え抜いた小麦のポテンシャルを極限まで引き出している。一口食べるごとに感じる大地の滋味は、北海道の農業の底力そのものだ。