スネークマンショーの真骨頂は、タブーを恐れない鋭角的なパロディと社会風刺にありました。彼らが残した膨大なスケッチの中でも、特に後世へ強い影響を与えた代表作には明確な批評性と実験精神が宿っています。
代表的なコントの一つ『咲坂と桃内のごきげんいかが 1・2・3(ワンツーツー)』は、日本のポップス史上最初期の日本語ラップ/ヒップホップ表現としても音楽史に刻まれています。軽快なビートに乗せて繰り広げられるナンセンスな掛け合いは、当時のテレビ的ユーモアとは完全に隔絶したスタイリッシュさを誇っていました。
一方で、彼らの表現は常に「放送コード」との闘いでもありました。代表作として名高い『シンナーに気をつけろ』『急いで口で吸え』『ホテルニュー越谷』『愛のチャンピオン号』などは、薬物乱用、露骨な性描写、権力批判、宗教やスポンサーへの辛辣なパロディを含んでいたため、地上波ラジオでの再放送や公の電波に乗せることが事実上不可能な「放送禁止」扱いとなった経緯があります。
特に1981年10月にリリースされたセカンドアルバム『死ぬのは嫌だ、恐い。戦争反対!!』では、その風刺性はピークに達しました。東西冷戦下の国際情勢や軍国主義の気配を極限のブラックユーモアで抉り出した同作は、単なるお笑いアルバムではなく、痛烈な反戦メッセージを内包したアヴァンギャルドな芸術作品として、今なお評論家筋から極めて高い評価を受けています。