「昔と今で書き順が変わったのではないか」という疑問も頻繁に聞かれる。しかし、結論から言えば文部科学省が定めた基本指針そのものが劇的に改訂されたわけではない。
文部科学省の『手書き文字の指導に関する手手引き』では、筆順は本来、文字を骨組みよく、無理なく速く書くための「合理的なガイドライン」として位置づけられている。一部の漢字には歴史的に複数の書き順が存在するものもあるが、「物」の偏に関しては、文字のバランスを整え次の文字へ筆を運ぶための必然性から、現在の筆順が最も合理的とされている。変化したのはルールではなく、私たちの手書き頻度と、それを可視化するテクノロジーの側なのだ。