乃木坂46の歴史において、白石麻衣と西野七瀬が築いた「黄金の二大エース体制」を最も純粋な形で継承したのが、遠藤さくらと賀喜遥香です。2018年の加入当初から運営の期待を背負い、24thシングル『夜明けまで強がらなくてもいい』で遠藤がセンター、賀喜がフロントに抜擢されて以来、グループの表題曲の軸は常にこの2人を中心に構成されてきました。
歴代センター楽曲一覧と2人が背負った「重圧の心理学」
4期生が主導した歴代のセンター楽曲を時系列で整理すると、単なるヒット曲の羅列にとどまらず、グループの世代交代における心理的フェーズが色濃く反映されていることが分かります。
当時のインタビューや特番ドキュメンタリーで、遠藤さくらは「自分がセンターに立つことでグループのイメージを壊してしまうのではないか」という極度のプレッシャーを抱えていたことを吐露しています。対する賀喜遥香も「完璧に見えるさくちゃんを支えたいけれど、自分自身の存在意義に悩んだ」と語っていました。
臨床心理学において、同一環境で極度の競争と協調を強いられる関係性は「ピア・プレッシャー(同調圧力)」による消耗を招きやすいとされます。しかし、2人は互いの内向性と外交性を認め合い、「比較される苦しみ」を「2人だから背負える責任」へと昇華させました。この精神的成熟こそが、1期生・2期生が全員卒業した後の過渡期を支えた最大の防壁となったのです。