2000年代初頭の漫画シーンにセンセーションを巻き起こした『スパイラル〜推理の絆〜』は、まさに彼の原作作家としての才気が爆発した金字塔だ。水野英多の美しい画力と相まって、「ブレード・チルドレン」を巡る運命的な悲劇と高度な頭脳戦が読者の心を掴んで放さなかった。
この作品の画期的な点は、犯人当てのパズル要素にとどまらず、登場人物たちの感情の機微や絶望的な宿命論をドラマチックに織り交ぜた点にある。論理的な詰碁のような推理と、息をのむサスペンスが見事に同居していた。連載終了から長い年月が経過した今なお、読者の記憶に深く刻まれ続ける伝説的作品だ。