侵入生物学の第一人者であり、国立環境研究所の五箇公一主席研究員は、今回の局面について「ヒアリの定着は日本の公衆衛生と自然環境に対する重大な脅威だ」と強く指摘する。環境省が本種を特定外来生物に指定し警戒を強めているものの、地球温暖化に伴う越冬地域の拡大が定着リスクに拍車をかけている。
五箇氏は「もし日本国内でヒアリが野外定着を果たせば、在来の昆虫や小型爬虫類が駆逐され、不可逆的な生態系被害が生じる。それだけでなく、公園や農地、住宅地の庭で子どもたちが遊べなくなるという、人間の生活空間そのものが破壊される外来種問題へと発展する」と警鐘を鳴らす。根絶には初期段階での徹底したモニタリングが不可欠なのだ。