物語のキーパーソンとなるのが、歴史上の巨頭である坂本龍馬と西郷隆盛のふたりだ。これまでの映像作品では「盟友」あるいは「時代の先駆者」として描かれることが多かった両者だが、本作では全く異なる多面的な切り口で描写されている。
倒幕という共通の目的を持ちながらも、その裏で渦巻く政治的思惑と互いへの疑心暗鬼。脚本家が秘蔵資料を紐解いて構築した彼らの関係性は、観る者の史実に対する常識を大きく揺さぶる。作中に散りばめられた小さな会話や眼差し、交わされた書状の1行に至るまで、終盤の衝撃的な展開への重要な伏線として機能している点も見逃せない。