読書メーター、Amazonレビュー、各種SNS上でのコミュニティにおける読者のリアルな反響を検証すると、本作がいかに特異な受容をされているかが浮き彫りになります。
30代〜40代の子育て世代からは、「子どもの頃に実家の本棚にあり、意味も分からず眺めていたが、親になって買い直してみたら自分が完全にハマってしまった」という声が圧倒的多数を占めます。言葉を介さないため、文字がまだ読めない幼児でも楽しめると同時に、高齢の祖父母まで「絵画鑑賞」として没頭できる点が、他の知育絵本とは根本的に一線を画しています。
一方で、「子どもの寝かしつけ絵本としては向かない」という現実的な意見も散見されます。ストーリーを読み上げる形式ではないため、親が「旅人は今どこにいるかな?」「あそこでパンを焼いているね」と対話を促す必要があり、受動的に聞き流すような使い方には適していません。能動的な対話や深い思索を求める親子にとって、最高のコミュニケーションツールとして機能しているのが実態です。