ネット上で長年燻り続ける「常盤貴子のヌードに関する噂」について、報道資料および映像作品の記録を精査したところ、完全なヌード写真集の出版や劇中でのヘアヌード公開といった事実は一切存在しないことが判明しています。それにもかかわらず、なぜこれほど強固に憶測が囁かれ続けているのでしょうか。その直接的な発火点となったのが、2004年に公開された降旗康男監督の映画『赤い月』です。
なかにし礼の直木賞受賞作を映画化した同作で、常盤貴子は激動の満州を生き抜くヒロイン・森田愛子役を演じました。物語の核となるのは、過酷な運命に翻弄されながらも複数の男性と心身を交わす濃密な人間ドラマです。劇中において、伊勢谷友介演じる関東軍少尉・氷室や、香川照之演じる夫との間で繰り広げられた大胆な濡れ場・ベッドシーンは、当時「清純派トップ女優の脱皮」としてマスメディアを席巻しました。
実際の映像において披露されたのは、美しく引き締まった背中や滑らかな肩、デコルテのラインを活かしたエモーショナルな身体表現であり、局部や乳首が露出するような描写ではありません。しかし、感情をむき出しにした息を呑むような情愛シーンの生々しさが観客に強烈なインパクトを与え、劇場公開後から「常盤貴子が脱いだ」「実質的なヌードではないか」という誇張された口コミがネット掲示板や週刊誌の見出しを通じて拡散していきました。
また、「幻のヌード写真集が存在するのではないか」という憶測についても明確な誤解が存在します。常盤貴子は1995年や1999年にオフィシャル写真集を上梓していますが、それらは水着姿や開放的なリゾート地でのナチュラルな表情を収めたポートレートであり、いわゆる露出を売りにした写真集ではありません。当時の週刊誌グラビアの袋とじ企画や、映画のプロモーションスチールがネット上で独り歩きした結果、誤った検索クエリとして定着してしまったのが噂の真相です。