流行語大賞はおかしい?「聞いたことない」連発と世論乖離の深層

流行語大賞はおかしい?「聞いたことない」連発と世論乖離の深層

流行語大賞はおかしい?「聞いたことない」連発と世論乖離の深層とは一体何なのか? 専門的な分析を整理してお届けします。

私たちが毎年の発表に対して感じる強烈な違和感の根源は、社会学でいう「集合的記憶の喪失」にあります。かつてテレビが国民統合の象徴だった時代、流行語大賞は日本人が共有するカルチャーの総決算として確かに機能していました。しかし、個々人が自分専用のアルゴリズムに最適化されたコンテンツを消費する現代において、単一の「国民的流行語」を策定すること自体、社会構造的に不可能な試みとなっています。

『現代用語の基礎知識』という書籍の販売促進、そしてスポンサーである通信教育大手ユーキャンのブランド露出という商業プロモーションの一環であることを理解すれば、選考結果に憤ること自体が不毛であると気づきます。過度な期待を抱かず、冷静に付き合うための判断基準を提示します。

冷静に距離を置くべき人(本気にするとストレスを感じる層)

  • 真のネットトレンドやZ世代カルチャーの熱量を知りたい人:この賞にリアルなバイラルデータは反映されません。niconicoとピクシブが共催する「ネット流行語100」や、SNSビッグデータを解析したトレンドランキングを参照する方がはるかに実態を掴めます。
  • 政治的な公平性や中立な統計基準を求める人:選考委員個人の思想信条や主観、出版社の編集方針が色濃く反映されるため、中立的な世論調査と捉えると強い憤りを覚えることになります。

エンタメとして割り切って楽しめる人(向いている層)

  • 「オールドメディアが演出したい空気感」をメタ的に観察したい人:テレビ業界や出版界が「今年はどういう物語を社会に定着させたかったのか」というアジェンダ設定の意図を読み解く教材としては、極めて優秀な観測対象です。
  • 年末恒例のツッコミ系コンテンツとして消費できる人:「今年もやっぱりズレていた」とSNSで仲間と笑い合うための、季節限定のネットミームとして割り切れる人にとっては格好の娯楽となります。
中川 明日香
著者

中川 明日香

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。