インターネット上の旅行情報やSNSの投稿には、太皷谷稲成神社に関するいくつかの誤解や、訪れて初めて気づく見落としがちな盲点が存在します。現地で後悔しないために、以下の実態を把握しておく必要があります。
誤解1:「263段の石段を歩いて登らなければ参拝できない」
ネット上では千本鳥居の写真ばかりが強調されるため、「足腰が弱い高齢者や小さな子ども連れには無理だ」と諦めてしまう人が少なくありません。しかし実情は、山麓から車道(ドライブウェイ)が整備されており、山上駐車場まで直接車やタクシーで乗り付けることが可能です。山上駐車場は本殿と同じ高さに位置しており、段差をほとんど介さずに社殿へと直行できます。体力に自信のない同行者がいる場合でも、全く問題なく参拝が可能です。
誤解2:「油揚げは本殿の賽銭箱に投げ込むもの」
初めて訪れる観光客がやりがちな間違いが、購入した油揚げを本殿の賽銭箱の上にそのまま置いてしまうケースです。油揚げはあくまで眷属をお祀りする「命婦社」へのお供え物です。適切な場所へ奉納しなければ、神職や清掃スタッフの手間を増やすだけでなく、カラスや野生動物に荒らされる原因にもなります。四社参りの作法に従い、必ず命婦社の供物台へ納めるのが鉄則です。
誤解3:「津和野観光のついでに30分あれば立ち寄れる」
JR津和野駅から神社までは車で約5分、徒歩でも20分程度と至近に位置しています。しかし、麓から千本鳥居を登り、お供えセットを購入して四社参りを丁寧に行い、津和野の町並みを眺めて御朱印を授かる一連の流れを体験するには、最低でも60分から90分の滞在時間を確保する必要があります。駆け足で通り過ぎてしまっては、この聖地が持つ独特の静謐さとパワーを受け取ることはできません。