北海道釧路市に生まれた大道寺あや子(旧姓・駒沢)は、星薬科大学を卒業した正規の薬剤師でした。大学在学中に社会運動へ傾倒し、高校の同級生であった大道寺将司と再会したことで人生の舵を過激なテロリズムへと大きく切ることになります。
1974年に結成された極左過激派「東アジア反日武装戦線」の「狼」グループにおいて、彼女の存在は技術面で決定的な役割を果たしました。勤務先の薬局や製薬関連のルートから爆薬の原料となる塩素酸ナトリウムや劇物を調達し、時限爆弾の製造に深く関与したとされています。
そして1974年8月30日、東京・丸の内の三菱重工業本社ビル前で時限爆弾が炸裂。白昼のオフィス街が爆風と飛び散るガラス片で地獄絵図と化し、8名が死亡、376名が負傷するという戦後日本の犯罪史上最悪級の惨劇を引き起こしました。警察の威信をかけた捜査の末、1975年5月19日、大道寺あや子は夫の将司らとともに警視庁公安部に逮捕されました。