ファンの間で今も白熱するのが、則巻アラレの戦闘力に関する議論だ。ドラゴンボールの世界観において、戦闘力は冷徹な数値と肉体的な強さで序列化される。ピッコロ大魔王やその後の強敵たちは、星を消滅させるほどのエネルギー波を放ち、戦士たちを圧倒した。
しかし、アラレが従うのはバトルの法則ではない。「ギャグ漫画の物理法則」だ。パンチ一撃で地球を割り、太陽に頭突きを食らわせ、宇宙の果てまで岩を投げる。このナンセンスな現象は、どんなにシリアスな破壊光線をも無力化する。かつて『ドラゴンボール超』への客演時、強大化したサイヤ人戦士たちを手玉に取った描写は、ギャグ補正がバトルロジックを凌駕する決定的証明となった。
暴力や恐怖といったシリアスな概念が、天真爛漫な「んちゃ!」の一言で瓦解する。バトル・ギャグ漫画という枠組みの中で繰り広げられたこの絶対的な優位性は、読者に対して「純粋な遊び心こそが無敵である」という痛快なメッセージを提示し続けている。