前作『男女7人夏物語』がどこかカラッとした明朗な青春群像劇のニュアンスを含んでいたのに対し、『秋物語』は一転して重厚で切ない愛憎のドラマへと舵を切った。物語は、アメリカへ旅立ったはずの神崎桃子(大竹しのぶ)と連絡が途絶え、傷心を抱えながら川崎の旅行会社で働く今井良介(明石家さんま)の姿から始まる。
かつての仲間たちの関係性も変化し、新たな登場人物が加わることで物語の歪みと熱量は増幅した。夏の開放感から秋の静けさへと季節が移り変わるなかで、すれ違う男女の心情がリアルかつ泥臭く描写された点こそ、本作が単なる続編に留まらず、前作を超えるインパクトを残した最大の要因である。