新型エクストレイル(T33型)に対するネガティブな言説を精査すると、車両自体の致命的な設計不良というよりも、「ユーザーの期待値と製品コンセプトのミスマッチ」から生じる構造的要因が浮き彫りになってきます。具体的には、以下の4つの要素が不満の引き金となっています。
1. 先代モデルからの価格高騰と「価格高すぎ」論争
歴代のエクストレイル(T30〜T32型)は、「200万円台から手に入るタフギア(道具感のある四駆)」として若年層やアウトドア愛好家に親しまれてきました。しかし現行T33型は全車e-POWER専売となり、先進装備を充実させた結果、車両本体価格が約360万〜500万円超へと大幅にシフトしました。
上位グレードにオプションや諸経費を加えると乗り出し価格は550万〜600万円規模に達します。「手頃な実用四駆」を求めてディーラーを訪れた既存オーナーにとって、この急激なプレミアム路線への舵切りは「新型エクストレイルは価格高すぎで手が出ない」という落胆と反発を生む直接の原因となりました。
2. 冬場および高速巡航における「e-POWER実燃費」の落差
カタログ値(WLTCモード)では2WDで19.7km/L、4WD(e-4ORCE)で18.3〜18.4km/Lという優れた数値を誇りますが、オーナーの実測データによると高速道路の長距離巡航(時速100km〜120km巡航)や、暖房を多用する冬季の市街地では実燃費が11.5〜13.5km/L前後まで落ち込むケースが報告されています。
シリーズハイブリッド方式の特性上、モーター駆動用の電力を生み出すために1.5L VCターボエンジンが高回転で稼働し続ける状況では、トヨタのTHS-II(シリーズ・パラレル方式)のような圧倒的な高速燃費を期待していた層から「燃費が悪くてひどい」という不満が噴出することになります。
3. 下位グレードに見られる「内装が安っぽい」という指摘
最上位の「G」グレードには、上質なナッパレザーシートや大型12.3インチディスプレイ、木目調パネルが奢られ、欧州プレミアムSUVにも引けを取らない仕立てとなっています。しかし、中級の「X」や廉価な「S」グレードではハードプラスチックの露出部位が多く、シフトノブ周辺やドアトリムの質感が「400万円超の車としては内装が安っぽい」と酷評される要因になっています。
4. 過去の長納期化と受注停止によるユーザーの不信感
世界的な半導体不足やサプライチェーン混乱、さらに予想を上回る注文殺到が重なり、発売直後から長期間の受注停止や1年以上の納期遅延が発生しました。納車を待ち望むユーザーに対して正確なスケジュールが提示されなかった時期のフラストレーションが、ネット上の辛口レビューやネガティブな口コミを増幅させた側面は否めません。