ウェルフィンの活躍を巡っては、インターネット上などでいくつか事実と異なる憶測や誤解が散見されます。作品の緻密な整合性を読み解くために、代表的な2つの誤解を正しておきましょう。
誤解1:なぜメルエムに「卵男(ミサイルマン)」を撃ち込まなかったのか?
ネットの一部では「メルエムに対して質問し、嘘をつかせてミサイルマンを撃ち込めば勝てたのではないか」という議論が存在します。しかし、これは念能力の力関係を無視した誤った解釈です。
当時のメルエムが放っていたオーラ量は護衛軍2名分を吸収した桁外れの規模であり、ウェルフィン自身が「能力を発動しようと考えた刹那、その意思を感知されて瞬殺される」ことを本能で理解していました。仮にミサイルを発射できたとしても、着弾前に王のオーラの一撃で迎撃されるか、黒百足の呪詛ダメージを遥かに上回る力技で術者ごと消滅させられていたのは明白です。撃たなかったのではなく、撃つこと自体が自滅を意味していたのです。
誤解2:「コムギ」の名前を単なるラッキーで思い出したのか?
「たまたま耳にした女性の名前を口にして助かっただけ」という見解も散見されますが、これも不十分です。ウェルフィンはビゼフ長官やパーム、宮殿内の不穏な動向を独自の嗅覚で探るなかで、「プフとユピーが王にひた隠しにしている最重要の秘密」が存在することに薄々気づいていました。
つまり、彼は無関係な単語を叫んだのではなく、「プフが最も恐れ、隠したがっていたカード=王の記憶の鍵」であることを直感的に察知し、死の極限状態において全神経を繋ぎ合わせた結果としてその言葉に辿り着いたのです。これは極度の保身と知性が生み出した、執念の結晶でした。