女子学院が誇るこの自由な服装規定は、単なるファッションの解放ではない。その根底には、初代院長である矢嶋楫子が確立した確固たる教育理念が存在する。「あなた方は聖書を持っているのですから、自分で自分を治めなさい」——矢嶋が残したこの有名な言葉こそ、同校におけるキリスト教女子教育の神髄だ。
上から与えられた規則で行動を縛るのではなく、何が正しく何が相応しいかを一人ひとりが自ら判断する。学校制服を義務化しない姿勢は、この「自主自律」の精神を日常の最も身近な選択である「着るもの」から実践させるための、極めて実践的な学びの場なのだ。