山頂に到着したハイカーの目を奪うのが、長年この山のシンボルとして親しまれてきた白い球体、車山気象レーダー観測所だ。その足元で進行してきた「SKYTERRACE車山展望テラス開発プロジェクト」が、山頂空間の過ごし方を根本から塗り替えている。
周囲360度を遮るものが何ひとつない圧倒的なパノラマビューを誇るこの空間では、山肌の傾斜を巧みに生かしたステップ状の木製デッキが広がる。過度な人工感を排し、荒涼とした岩肌や高山植物の景観と見事に調和するよう設計されたテラスからは、富士山、南アルプス、中央アルプス、北アルプス、そして浅間山まで、日本の名峰たちが円環を描くように一望できる。
これまでのように「山頂標識で記念撮影をして折り返す」だけの滞在から、「腰を下ろして変わりゆく雲の流れや風の音をじっくり味わう」滞在へ。山岳リゾートとしての成熟を感じさせる新たなランドマークは、訪れる人々に立ち止まる贅沢を教えてくれる。