「準決勝や決勝のピッチサイドに立つと、足元から地鳴りのような緊張感が伝わってくる」
熊本市水前寺競技場やえがお健康スタジアムのスタンドで長年取材を続ける地元記者は、県総体特有の異様な空気をこう表現します。冬の選手権予選と異なり、インターハイ予選は新チームが本格的に立ち上がってからわずか数か月。チームの完成度が発展途上である分、選手の感情の揺らぎや突発的なアクシデントがダイレクトにスコアへ反映されます。
スタンドで応援を続ける保護者会関係者からは、次のような切実な証言も聞かれます。「選手権は3年間の集大成ですが、総体はインターハイを逃せば即座に受験勉強へ切り替える3年生も少なくありません。背負っている覚悟の重さが違うのです」。SNSや掲示板(5ちゃんねる等)でも、「大津のBチームでも他県の代表クラス」「いや、今年の国府の守備はプレミア勢でもこじ開けるのが難しい」といった激しい議論が連日交わされており、県民の関心の高さは全国でも屈指のレベルに達しています。
初夏の厳しい日差しと30度近くまで上昇するピッチコンディションの中、ベンチワークを含めた総力戦が展開されます。交代枠の使いどころや飲水タイムのマネジメントひとつで戦況が激変する現場のリアルは、生配信の画面越しにも伝わる緊迫感を帯びています。