ネット上の掲示板やSNSを中心に「松井珠理奈と指原莉乃は不仲なのではないか」という言説が広まった背景には、2人がグループ内で担っていたあまりにも対照的なキャラクターと役割があります。11歳でAKB48のシングル『大声ダイヤモンド』のセンターに大抜擢され、「王道アイドル」「生粋のセンター」として育てられた松井珠理奈。一方、ヘタレキャラから自力で這い上がり、バラエティ力と卓越した自己プロデュース能力で頂点へと上り詰めた指原莉乃。このコントラストが、メディアやファンの間で「ライバル構造」として過剰に煽られやすい土壌を作っていました。
しかし、舞台裏を知る制作関係者や当時のドキュメンタリー映像が示す実態は、巷の不仲説とは大きく異なります。SKE48(名古屋・栄)とHKT48(福岡・博多)という地方拠点の姉妹グループをそれぞれ牽引する立場として、2人は「本店(AKB48)に負けないグループを作る」「巨大グループの看板を背負い続ける」という共通の重責を背負っていました。テレビ番組『AKB48 SHOW!』や雑誌の特別対談などで見せていた親密な掛け合いは、作られたビジネス仲良しではなく、過酷な現場を共有した者同士にしか分からない強固な「戦友関係」そのものでした。