松崎町の町歩きにおいて、誰もが息を呑むのが「松崎町なまこ壁通り」に代表される防火・防風の建築美です。平瓦の継ぎ目に漆喰を蒲鉾(かまぼこ)状に盛り上げる独特の手法は、かつて繭や炭の集散地として栄えた豪商たちの知恵と誇りの象徴。通りに一歩足を踏み入れれば、黒と白のシャープなコントラストが路地を包み込み、まるで明治・大正期にタイムスリップしたかのような錯覚に陥ります。
松崎町観光スポットおすすめの筆頭として語られるこの町並みは、映像作品の舞台としても愛されてきました。とりわけ社会現象を巻き起こしたドラマ『世界の中心で愛をさけぶ』の主要ロケ地として松崎町が選ばれた歴史は、今なお色褪せていません。主人公たちが語り合った港の堤防、木造の趣を残す橋、哀愁を帯びた下町の小路など、作品の空気感を追体験できるスポットが町中に点在。単なる観光名所の巡回にとどまらず、物語の記憶に浸る豊かな時間がここには流れています。