過激なスパルタ指導が問題視される一方で、彼を公然と支援・擁護する声も根強く存在した。その代表格が、作家であり政治家でもあった石原慎太郎だ。石原は、戸塚の指導方針を「過保護に毒された戦後日本に対する劇薬」として評価し、社会的批判の渦中にあっても彼を擁護し続けた。
政財界や知識人の中に支持者が存在した背景には、戦後の民主主義教育や権利偏重に対する強い不満があった。若者の軟弱化や倫理観の欠如を危惧する保守層にとって、彼の強硬な姿勢は一種の救世主のように映ったのだ。個人主義と権威主義が衝突した昭和末期から平成初期の政治的・社会的文脈を抜きにして、彼の存在感を語ることはできない。