音羽山清水寺の起源は宝亀9年(778年)、僧の延鎮が音羽の滝を訪れ草庵を結んだことに始まる。のちに征夷大将軍の坂上田村麻呂が本堂を建立し、千手観音を祀った。1200年以上の時を超え、ユネスコの世界文化遺産(古都京都の文化財)として世界中から崇敬を集め続ける聖地である。
夜の帳が下りると、清水寺の表情は一変する。西山へと伸びる一筋の青いサーチライトは、観音菩薩の慈悲の心が人々を照らす姿を具現化したものだ。歴史の重みを感じさせる本堂の檜舞台から見下ろす錦雲渓の木々は、照明を浴びて立体的な陰影を描き出す。ただ綺麗なだけではない。そこには、遥か昔から続く祈りの気配が確かに息づいている。