すべての金塊争奪戦が終結した後のエピローグにおいて、鯉登音之進には驚くべき、そしてこれ以上なく相応しい未来が用意されていました。
鯉登は軍に残り続け、着実に武功と人望を積み重ねた結果、最終的に陸軍中将へと階級を昇進させ、「最後の第七師団長」に就任しました。これは、かつて鶴見中尉がクーデターによって手に入れようとした第七師団の頂点に、正統な軍務と圧倒的な人徳をもって鯉登自身が登り詰めたことを意味します。
傍らには常に、鶴見の呪縛から解放され、鯉登個人への忠誠と敬愛を誓った月島が右腕として付き従いました。鯉登は戦後の混乱期において、北海道の治安維持や戦没者遺族の救済、除隊軍人の社会復帰に尽力し、師団が解体を迎えるその瞬間まで部下たちを守り抜いたとされています。かつて「自分には生きている価値がない」と思い詰めていた少年は、北の大地に生きる無数の人々の命を支える大樹へと成長を遂げたのです。