池袋駅東口から徒歩5分。看板のない雑居ビルの3階に、その空間はあった。重い防音扉を開けると、そこは都会の喧騒とは完全に切り離された無音の世界だ。照明は極限まで落とされ、かすかに漂うお香の香りが鼻腔をくすぐる。
部屋の中央には、人間工学に基づいて設計されたという特殊なリクライニングシートが置かれている。体験者はまず、薄型のウェアに着替えるよう指示される。このウェア自体に無数のセンサーが埋め込まれており、セラピストの動きと連動して微細な振動を全身に伝える仕組みだ。単なるマッサージではなく、テクノロジーによる演出が五感を拡張していく。