桂花陳酒(ケイファチンシュ)とは、良質な白ワインをベースに、秋に咲く金木犀(桂花)の花を浸漬し、3年以上熟成させて造られる中国の伝統的な加香果実酒です。中国酒と聞くと紹興酒や白酒(バイジュー)のような独特の発酵臭や強烈な高アルコールを想像しがちですが、桂花陳酒の設計思想はヨーロッパのアペリティフ(食前酒)や貴腐ワインに極めて近い洗練されたものです。
最大の特徴は、グラスに注いだ瞬間に立ち上る濃密なフローラルの香り。金木犀特有のエキゾチックで甘美なアロマに加え、アンズ(アプリコット)や熟した黄桃、ハチミツを思わせるジューシーな果実味が口いっぱいに広がります。酸味は穏やかでとろりとした口当たりがあり、後味には上品な花の余韻が長く続きます。
一般的なアルコール度数は14%〜15%前後となっており、日本の清酒や一般的なテーブルワインと同等です。甘口で口当たりが非常に柔らかいため、お酒に強くない方でもアルコールの刺激を感じにくく、デザート感覚で楽しめる点が長年愛され続ける最大の理由となっています。