真冬に活動しているクマの多くは、深刻なエネルギー不足に直面しています。厳しい寒さの中で体力を激しく消耗しながら餌を探しているため、飢餓状態のクマは極めて凶暴化しやすい心理状態に陥っています。
通常、クマは警戒心が強く、人間の気配を察知すると自ら身を隠す傾向があります。しかし、極限の空腹状態にある冬のクマは人間を避ける余裕すら失っています。視界に入った動くものや人工的な匂いに対して過敏に反応し、食料を確保するために執拗な執着を見せるのが特徴です。
山中に食べ物が一切ない冬場、クマが目指すのは人間の生活圏です。民家の庭先に残された未収穫の柿やリンゴ、農業用ハウス内の作物、生ごみ、さらには家畜飼料の保管庫などが格好の標的となります。冬期は山と人里の境界線が雪で曖昧になることも重なり、餌を求めて平地まで一気に降りてくる出没パターンが定着しています。