「大人の平均歯数は28本から32本」と幅がある背景には、主に3つの理由が存在します。
1つ目は親知らず(智歯)の有無です。10代後半から20代前半にかけて一番奥に生えてくる歯ですが、現代人は顎が小さく進化している影響もあり、最初から親知らずの芽(歯胚)が存在しない人が増えています。4本すべてが綺麗に生え揃う人の割合は全体の約30%〜40%程度にとどまり、骨の中に埋まったまま(埋伏歯)だったり、1〜3本だけ生えたりするケースが一般的です。
2つ目は、生まれつき特定の永久歯が生えてこない先天性欠如歯です。近年の小児歯科調査では、子どものおよそ10人に1人(約10%)に先天性欠如が認められます。特に前歯の隣の側切歯や、奥から2番目の第二小臼歯に多く見られ、乳歯が抜けた後に永久歯が生えてこないため、事前のレントゲン検査による早期発見が重要です。
3つ目は逆に通常より多く歯が作られる過剰歯の存在です。特に上の前歯の間に発生する「正中離開(すきっ歯)」の原因になりやすく、過剰歯の治療法としては周囲の歯並びや骨への影響を考慮した抜歯手術が標準的なアプローチとなります。