スーパーの鮮魚コーナーで迷いがちなのが「生食用」と「加熱用」の選択です。一般的に「生食用の方が鮮度が高く、加熱しても美味しいのではないか」と誤解されがちですが、実際は用途と生育環境が根本から異なります。
厚生労働省の食品衛生法規格基準に基づき、生食用牡蠣は保健所が指定した水質基準の厳しい「清浄海域」で採取されるか、人工海水で数日間絶食させて体内を浄化殺菌したものです。この浄化工程で身のエネルギーが消費され、水分量が増えて身が痩せる傾向にあります。一方の加熱用牡蠣は、植物プランクトンが豊富な沿岸部で育ち、浄化処理を行わないため、グリコーゲンやアミノ酸などの旨味成分が濃厚で身が引き締まっています。したがって、加熱料理であるアヒージョには加熱用を選ぶのが正解です。
大粒の冷凍牡蠣を活用する場合、電子レンジや常温での急速解凍は細胞破壊を引き起こし、大量のドリップ(旨味エキス)が流出します。3%濃度の冷塩水に20〜30分浸して半解凍状態にし、水気を切ってから調理することで、生鮮品と遜色ないジューシーな仕上がりを実現できます。