炎上が単なる個人の失言レベルにとどまらず、ネット界隈全体を揺るがす大事件となった背景には、明確な3つの決定打が存在します。
第1に、「オープンな文化の私有化」に対する強い拒絶反応です。「ゆっくり茶番劇」という言葉は、動画共有サイト上でジャンル名やタグとして広く定着しており、特定個人の創作物ではありません。それを私物化して収益源にしようとする行為は、二次創作を愛するクリエイター層の倫理観を真っ向から踏みにじるものでした。
第2に、発言の二転三転と不誠実な対応が火に油を注ぎました。柚葉氏は当初「年間10万円の使用料」を明記していながら、批判が殺到すると「使用料は不要に変更した」と主張し、その後さらに「商標権の侵害には変わりないため使用許諾が必要」などと主張を二転三転させ、利用者を混乱させ続けました。
第3に、特許庁の商標登録審査をすり抜けてしまった制度的隙への危機感です。「ゆっくり茶番劇」というネットスラングが商標として認可されてしまった事実は、他のあらゆるネットミームや文化が「早い者勝ち」で奪取されかねないという恐怖をクリエイターコミュニティに植え付けることになりました。