5ちゃんねるの過去ログや当時の個人サイトの日記アーカイブを精査すると、当時のユーザーたちがFlash作品に抱いていた熱量の生々しさが浮かび上がってきます。
「深夜2時にダイアルアップの接続音を聞きながら、ローディングバーが100%になるのをじっと待っていた。あの5MBのSWFファイルの中に、テレビのどのバラエティ番組よりも面白い世界が詰まっていた」(当時のFlash愛好者の回顧録より)
当時のおもしろフラッシュ倉庫は、単なる動画置き場ではありませんでした。個人ニュースサイトの管理人が独自のセンスでネット中から面白い作品を巡回・収集し、「神」「鬱」「殿堂入り」といった独自のカテゴリ分けを行って紹介するキュレーションメディアの原型だったのです。
また、Flashの制作ソフト(Macromedia Flash、後のAdobe Flash)は、アニメーション制作からプログラミング(ActionScript)までを個人が一貫して行える画期的なツールでした。プロの大規模スタジオでしか作れなかった「動く総合エンターテインメント」を、自宅の自室にいる名もなき個人がたった一人で世界中に発信できたこと——この「表現の民主化」の最初の爆発こそが、Flash黄金期を支えた本質的なエネルギーでした。