この史実をベースに制作され、日本の映画史に深い傷痕を残した最高傑作が、映画監督の園子温が手掛けた名作『冷たい熱帯魚』だ。本作は犯行舞台を熱帯魚店に置き換えつつも、主犯格が見せた人間の底なしの狂気と洗脳のプロセスを極限まで描き出し、国内外で大きな議論を呼んだ。
映画で提示された世界観は単なるフィクションの枠を超え、観る者に生理的な恐怖と圧倒的な現実感を突きつける。迫真のパフォーマンスとサイコスリラーとしての卓越した構成力は、実際の事件が持っていた冷酷な現実をグロテスクなまでに浮き彫りにさせたのである。