ネット上の言説で最も誤解されがちなのが、「実売印税」と「発行印税」の相違点です。
かつての出版業界では、印刷した冊数すべてに対して印税を支払う「発行印税(刷り部数連動)」が常識でした。この方式であれば、書店で売れ残って返本されても、著者は刷られた部数分の印税を満額受け取ることができます。
しかし、出版不況と返品率の高止まりに伴い、近年の中堅・小規模出版社や専門書版元を中心に「実売印税(実際に売れた冊数のみに支払う方式)」を出版契約書に盛り込む事例が増加しています。実売印税の場合、半年〜1年ごとの実売集計に基づき後払いで支払われるため、「本が出版されたのに、売れ行きが鈍く数万円しか振り込まれなかった」というケースが日常茶飯事となっています。契約書を取り交わす際には、印税支払いの基準がどちらになっているかの確認が必須です。