テーブルマナーにおけるカトラリーの正しい使い方の根幹は、「両手を使う料理か、フォーク1本で完結する料理か」という明確な境界線にあります。コース料理において肉や魚などナイフを必要とする主菜をいただく場合、ナイフとフォークを持つ手は「右手にナイフ、左手にフォーク」で完全に固定されます。これは右利きの人がナイフで力を込めて切り分け、左手のフォークで肉を押さえるという機能的な力学に基づいています。
一方で、オムライスやドリア、前菜のサラダ、パスタなど、ナイフを使わずにフォークのみで食事を進めるシーンでは、フォークを右手に持つのが自然な作法です。無理に左手で扱い続けてぎこちない動作になることこそ、食事の美観を損ねる要因になります。
フランス料理のフォークの持ち方においては、人差し指の腹をフォークの背(柄の付け根部分)に沿わせ、親指と中指で軽く挟み込むように保持するのがエレガントなフォームです。上から握り込む「わしづかみ」や、鉛筆のように持つ「ペングリップ」は、カジュアルな場面やデザートを除き、主菜の場面では幼稚な印象を与えるため避ける必要があります。