「生クリームを1パック買っても使い切れずに余らせてしまう」「カロリーや胃もたれが気になる」という声は年々増加しています。そこで今、料理界隈で絶大な支持を集めているのが、生クリームなし牛乳で作る方法です。生クリームの乳脂肪分が約35〜45%であるのに対し、普通牛乳は約3.6〜4.0%。単に牛乳を注ぐだけでは薄っぺらいスープパスタになってしまいますが、調理科学を応用すれば生クリーム以上のキレと濃厚さを生み出せます。
ここで活躍するのが、プロが教える濃厚コク出しの秘訣です。ポイントは3つのステップから構成されます。
第一に、白ワインとにんにくの旨味凝縮です。オリーブオイルで弱火でじっくり香りを引き出したみじん切りにんにくの鍋に下処理した牡蠣を入れ、強火で表面を香ばしく焼き付けたら、白ワイン(大さじ2)を一気に回し入れてアルコールを飛ばします。ワインに含まれる酒石酸やリンゴ酸が牡蠣の生臭さを完全にマスキングしつつ、牡蠣からあふれ出た濃厚なエキスと一体化して極上のジュ(出汁)を形成します。ここで牡蠣の身だけを素早く別皿へ取り出します。
第二に、フライパンに残った純度100%の牡蠣エキスに、バター(10g)と小麦粉(小さじ1)を加えて弱火で軽く炒め合わせ、そこに牛乳(150ml)を少しずつ注ぎ入れます。小麦粉のデンプンが牛乳の水分を抱き込み、とろみをつけることで乳脂肪分の低さを補完します。
第三に、パルメザンチーズ(粉チーズ大さじ2)とパスタの茹で汁(お玉半分)の投入です。チーズに含まれる遊離グルタミン酸が、牡蠣のアスパラギン酸やイノシン酸と合わさることで、味覚の「旨味の相乗効果」が発生し、旨味の強度が単体の7〜8倍に跳ね上がります。茹で汁に含まれる微量のデンプンが界面活性剤の役割を果たし、オイル・出汁・牛乳が分離することなく滑らかに結びつく完全な乳化状態が完成します。