ネット上の誤った情報で特に目立つのが、「電池を入れたら裏面の強制受信ボタン(WAVEボタン)を何度も押すべき」という助言です。これは時として逆効果を招きます。福島送信所や九州送信所から発信される標準電波は、昼間の時間帯は太陽光によって発生する電離層(D層)の影響を強く受け、電波が吸収されて地表に届きにくくなります。加えて、昼間は家庭内のパソコン、スマートフォン、LED照明のインバーター、エアコンなどの生活家電から発せられる高周波ノイズが電波受信を著しく妨害します。
時計技術者の間で共通認識となっている正しいリセットと受信のステップは以下の通りです。
- ステップ1:推奨期限内の新しいアルカリ乾電池を挿入する
極性(プラス・マイナス)を正しくセットすると、針が動き出し12時の位置で自動停止します。 - ステップ2:裏面のリセットボタン(RESET)をピン先などで確実に1回押す
これによりマイコン内の古いレジスタ情報が完全に消去され、初期基準位置が正確に記憶されます。 - ステップ3:窓際に置いて「触らず20分以上待つ」
ビルの谷間や部屋の奥を避け、送信局がある方角(東日本は福島県、西日本は佐賀県・福岡県境)を意識した窓際に置きます。 - ステップ4:それでも合わない場合は日中の作業を諦め「夜間に放置」する
電波時計はノイズが激減し電離層の反射効率が高まる深夜2時〜4時に自動受信を行うようプログラムされています。一晩窓際に放置しておくことで、翌朝には正確な時刻へ復帰しているケースが大多数を占めます。