このフレーズが一躍全国区の流行語となった決定打は、2015年2月に開催された『R-1ぐらんぷり2015』でした。白のスーツに身を包み、両腕にスイス製高級腕時計をはめる独特のスタイルで決勝の舞台に上がったじゅんいちダビッドソンは、日常の些細な失敗やクレームを「伸びしろですねぇ」とポジティブに一刀両断するネタを披露。爆発的な笑いを巻き起こし、見事に第13代王者の栄冠を勝ち取りました。
ここで焦点となったのが、パロディの対象となった本田圭佑本人との関係性です。一般的にトップアスリートのものまねは、一歩間違えれば関係者から厳重な抗議を受けるリスクを孕んでいます。しかし、ここからの展開はまさに異例でした。
優勝後の2015年秋、テレビ番組の企画などでミラノへ渡ったじゅんいちダビッドソンは、ついに本田圭佑本人と対面取材を果たします。関係者の証言によると、本田選手は笑顔で迎え入れ、「どんどんやってください」と快諾。さらに本田選手が身につけていた高級腕時計をその場でプレゼントするという破格の器量を見せました。単なる容認を超えた「本人公認」の事実がメディアで大々的に報じられたことで、このフレーズは毒気のない親しみやすい国民的ギャグとして完全に定着したのです。