ファン待望のシーズン2は、単なる噂レベルではなく、実際にNHK主導で2020年10月頃からのクランクイン、2021年4月期の放送枠を目指して具体的な制作準備が進められていました。週刊誌各社や制作関係者の証言によると、脚本開発や放送枠の確保はすでに完了しており、事実上の「内定」状態にあったと報じられています。
それにもかかわらず企画が白紙撤回された決定的な引き金となったのは、天天コーポレーション経理部および営業部の前作主要キャストの一人に、スケジュール調整がつかない事態が発生したことでした。この状況に対し、主演を務める多部未華子の所属事務所側から「前作と同じメンバーが揃わないのであれば、続編への出演は辞退したい」という申し入れがなされたのです。
民放ドラマであれば、キャストの一部を交代させたり、海外赴任や異動といった設定を加えて強引に撮影を強行するケースも珍しくありません。しかし、本作における天天コーポレーションの空気感は、森若沙名子を取り巻く同僚や営業部の絶妙なアンサンブルによって成り立っていました。多部未華子側が提示した条件は、わがままや不満からではなく、「前作を心から愛してくれた視聴者の期待を裏切らないため、あの空気感を損なう形での続編制作は受け入れられない」という、表現者としての厳格なプロ意識と誠意の表れでした。結果としてNHK側もその意向を尊重せざるを得ず、企画そのものが凍結される運びとなりました。