日本プロ野球において、支配下選手登録の70人枠はすべてのプレイヤーにとっての生存境界線だ。ここから漏れた者は「育成選手制度」のもと、3桁の背番号を背負って泥にまみれることになる。
育成契約の選手にとって、支配下への昇格は単なる肩書きの変更ではない。1軍公式戦への出場資格を得ると同時に、年俸や待遇、そして選手生命そのものが跳ね上がる瞬間だ。ファームで打率3割を超えても、チームの支配下枠に余裕がなければ声はかからない。実力だけでなく、チーム編成の歪みやタイミングにも翻弄される過酷な椅子取りゲーム。それが育成制度の冷酷な現実であり、同時に最大のドラマでもある。